連載・韓国ひとり歩き 1991.04→1995.03(NHKテレビ アンニョンハシムニカ ハングル講座より抜粋)



牛の市

慶尚北道の村落

藤本巧

旧暦の5月5日(取材の年は6月15日)、江陵市で端午祭が行われる。これは、災害を防止し、農業には豊作をもたらすという霊験あらたかなお祭りである。


端午祭全景




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民俗芸能保存会の学生たち

南大川の土手から州にかけての数百メートルにおよぶ距離に、見世物小屋、大道芸人・屋台などが並ぶ。
私は群衆の熱気によろけながらも、その人波にまぎれこんだ。酒に酔った女がサーカス小屋のピエロのむこうをはって踊りだす。


民俗芸能保存会の学生たち


大型バスを改造した舞台ではチマ・チョゴリ姿の歌手が流行歌を唄い、浅黒い顔の大道商人はハンドマイクを片手に客を引く。民俗遊戯のブランコに乗った中年女性が振り子のように空へ舞い上がり、

民俗芸能保存会の学生たち


その横のこんもりと砂を盛った土俵ではすもう大会が催されている。

民俗芸能保存会の学生たち

川べりでは老人たちが酒を酌み交わし、また藁葺き小屋ではムーダン(巫女)が扇子を翻して「地の神、天の神、山の神……」と歌っている。
絵になる被写体がいたるところという感じで、祭りが展開されていた。


民俗芸能保存会の学生たち